カーペットの種類は様々な分類がされていますが
ここでは日常生活でカーペットを選ぶ上で役に立つ、
製造方法、テクスチャー、素材、用途での分類をご紹介します。
1-1 製造方法による分類
①段通
段通はもっとも歴史の古い手織りカーペットです。
その製法は地経糸(じだていと)にパイルを結び、これを1本1本カットしながら織っていくものです。

段通にはペルシャ段通、トルコ段通など、生産国の名前で呼ばれているものや
天津段通、上海段通、山形段通など産地の名前で呼ばれているものがあります。
段通は単位面積当たりのパイル数が多いほど手間がかかり、品質も優れたものになります。
一般に生産されているシルクの段数は、
120段、140段、160段、180段、200段、220段、260段、300段などです。
120段というのは30.3cm(1フィート)角に120本のパイルが結ばれています。
横の密度は、タテ・ヨコ同じなのが通常です。
120段の場合、120×120で14,400個の結び目があるということです。
製造技術に熟練を要すること、量産できないこと、耐久性が大変優れていること、
色、柄が大変繊細であることで、現在では美術工芸品のような扱いで、とても高価な絨毯になります。
機械織りにはない魅力が溢れたカーペットです。
現在は当店では段通の取り扱いはありません。
今後追加していく予定です!
②ウィルトン
18世紀中期、イギリスのウィルトン市で初めて作られた機械織りカーペットの名称です。
19世紀にジャガード(紋紙)を使用する自動柄出装置により、2色から5色のパイル糸による、
自由なデザインでの柄物カーペットがつくられるようになりました。

特徴としては、無地、柄物カーペット共にパイル長を自由に変えられるようになり、
また無地カーペットの表面にテクスチャーに変化をつけることにより、他のカーペットには
できにくい多種多様な織り方が可能になりました。
ウィルトンカーペットは表面のパイル糸以外に、4種類の糸で織られているために、
しっかりとした高級品に仕上がっています。
>>ウィルトンカーペット一覧
③タフテッドカーペット
タフテッドカーペットはタフトカーペットとも呼ばれます。
自動車用途を除いて、現在では業務用途、家庭用途向けの約80%を占めています。
タフテッドカーペットは、基布とパイルを同時に織り上げる織カーペットとは違い、
タフト機に仕掛けられた基布(一次基布)の上からパイル糸を通した針(ニードル)を
刺し込んでパイルを作る製法です。

タフト機には各種のゲージがあります。
一般的には1/10インチ、1/8インチ、5/32インチですが、1/20インチのような超ファインゲージの
タフト機もあれば、5/16インチのように超コースゲージもあります。
パイルの状態はカットパイルとループパイルで、使用されるタフト機によりタフテッドカーペットの
パイル形状が決まります。
いろいろなパイル形状があるタフテッドカーペットですが、パイルが抜けてしまうため、
ニードリンクした面(裏面)に接着剤(ラテックスなど)をコーティングし、パイルを裏面から固定します。
当店では、熱圧着で接着している商品も多くございます。
接着剤特有の臭いや、小さなお子様やペットへの不安など、ご使用の際に安心していただけるように
製品作りに気を配っております。
この裏面の加工の方法には、ジュート基布や合繊基布、不織布などの二次基布を貼り合わす方法や
二次基布を使わずに接着剤だけのホワイトバックのほか、PVCやAPAO、ビチューメンなどを用いて
タイルカーペットにする方法があります。
これらの裏加工の方法は、用途に応じた使い方がされており、カーペットは表面と裏面との
組み合わせが豊富になります。
当店のラグマットの多くはタフトラグになります。
④フックドラグ
フクッドラグは、一般的にはフックラグとも呼ばれます。
仕上がりはタフテッドと同じで、基布に裏から刺し込まれたパイル糸を
ラテックスと裏基布で固着させます。
基布にプリントまたは手書きで地模様を描き、垂直に立てられた木枠に打たれた
クギに引延して張り、普通1本針の電動フックガンを使用してパイル糸を刺し込む。
針は烏口とベロから構成され、烏口でパイル糸の挿入口を作り、
ベロでパイルを押し込みます。
パイルの長さや太さによって針を替えます。
カットパイルは烏口の中に組み込まれたハサミによって自動的にカットされます。
パイル長、テクスチャー、素材、色柄が自由に選択でき、普及品のラグ、マットから、
段通調の高級品まで生産する事が可能です。
密度や仕上がりは、熟練した技術者のマシン操作によって行われるので
技術力が製品に影響します。
既製品が主流になっている今日、別注対応のできる貴重なものといえます。
敷物だけでなく、タペストリーや段帳にも使用されます。
近年、量産型マシンによる生産も行われています。
>>フック織りラグ一覧